宇ち多"(京成立石)

いつ通ってもシャッターが閉まっているお店が、やっている様子。
立石でWEB検索すると、必ず出てくる有名なお店なのだが、開いているところを見るのは、本当に初めてだ。
ちょっと入れないかなと、覗いてみました。
「何人?ひとり?煮込みとシロとアブラしかないけど良い?」って聞かれました。
取り敢えず、初めてだし、どう言う店か知りたいだけなのでOKです。
「じゃ、カバン前に持って、奥行って。」と誘導されました。
混んでいるので、お店の入り方にもルールがある様です。
なかなか、渋い店内。昭和の香り。
「飲み物は?」と聞かれるのは解っていたので、店内を見回していました。
焼酎頼んでいる人が多かったので、焼酎の梅割りを注文。
あと、煮込みをお願いします。
大鍋で煮込まれたもつ煮込みはすぐさま皿に盛られて目の前に登場。
これは・・・。
かなり濃そうな色合い。
色々な部位が入っているタイプです。
あっ!美味い!
絶妙な味付け。色ほど濃くない。
もつ煮込み
臭みもなく、上等な煮込みです。
焼き物は様子見て。だな。
常連客っぽい人達は、お店の人と親しそうに話しています。
こういう下町のお店には、良くあるのですが、そのお店独自のメニューの頼み方って言うものがあるのです。
このお店では、どの様なメニューが注文されているのでしょうか。
ちょっと聞き耳を・・・。
「シロ若焼きタレで」
「シロ良く焼き塩で」
これは焼き具合を表しているのだと思われます。
若焼きは生目、良く焼きはしっかり焼いてと言う意味でしょう。
それと味付け。
「アブラ味噌で。」と言う言葉も聞こえました。
味噌味付けもあるのでしょうか?
後は、「おしんこ酢かけ」や「素焼きの酢かけ」とかの言葉が飛び交ってました。
取り敢えず、ビギナーなので、焼き方、味付けを指定しない。
「シロとアブラと下さい。」と注文。
シロ
良く焼きぎみでしょうか。
タレがかなり美味しい。
アブラ
塩でした。
脂身がかなりジューシーです。
焼き物も美味しいです。
他の部位はどう言うのがあるのかな・・・。
試して見たかったものです。
と、食べていると、事件が起こりました。
「『アブラ少ないの塩』何処〜?!」と、店員の人が探し回っています。
アブラ少ないの塩・・・。
おそらく、アブラの串で、白い脂の部分が少ないことを指しているのではと推測されます。
それを注文した客が見つからないと言う事件。
「確かに言ったよね〜。ここらで!」と、店員さんは探し回ります。
刑事の様に注文した客を探していきます。
言葉が解らないビギナーは、そんな高度な注文は出来ないので、明らかに私では無いです。
私にはアリバイがある。

店員さんは、ずっと探しています。
そしてやっと、話に夢中だったのか気が付いたお客が、手を挙げました。
「はい、出た〜。ここだ!」
特殊な用語でやりとりされてて良く間違わないものだと思っていました。
混雑しているお店でも、こう言う事は滅多にないのでしょう。
こう言う事が無いとは言い切れませんが、あってもお店は悪くないと言うプロ意識があるのでしょう。
そして、煮込みもシロもアブラも無いと言う状況で、お客さんはお勘定をして帰って行き出しました。
私も・・・。
もつ煮込みにシロにアブラ。焼酎を気が付けば4杯飲んでいました。
「1、2、3・・・。1400円ね。」
飲み物は申告制で、食べ物のお皿が1皿200円。
焼酎も200円。
安い・・・。
午後1時過ぎ。
立石仲見世通りの公衆トイレを出て、お店の前を通ると、何時ものシャッターが閉まっている状態。
何時からやっているお店なのか・・・。
飲み屋さんで、そして13時には閉まってしまうとは。
立石の混沌は日本人の常識や倫理観は全く関係ない。
独自のコミュニティが形成されています。
こんな非日常の時間もなんか冒険チックで楽しいものです。